Real Blog

レジェンド鈴木が日々感じたことを哲学するブログ。書評、エッセイ、ポエムも書いてます。

そして終わりのない終演へ…

 そう、その発言は多大な債権を持つ方の質問に、代理人が発した言葉だ。

Aさん
「どうしても、分からないことがある。29店舗の保育園の営業権、これは最後に営業権を他社に販売することで、売上を上げることができたはずだ。経営者としてなぜ、突然保育園を締めたのか?噂では大手人材派遣会社のT社から10億円でオファーが来ていたというではないか。最後の最後に唯一資産価値のある保育事業を突然止めたこと、数店舗に関しては近隣の事業者に無料で譲渡したこと、これは全く理解できない。明確な説明を求める!」

代理人
「営業権転売を検討した時、すでに保育士への給料支払いが行えず、人的リソースの維持が出来ていなかった。その様な店舗を多く抱え、その事業自体を販売する、という選択肢は無かった」

そして言葉を改め…

「いや、数社への事業転売を行おうとしたが出来なかった…」

もう、嘘にも限界がある。Aさんの意見は至極全うであり、正しい。

しかし代理人および、H社長、君たちは何も分かっていないし、ふざけている。そこで無休で何ヶ月も働いていた保育士の方々(社員)がいたではないか!!もう悪ふざけはよせ。そもそも子供の教育をなんだと思っているんだ。

私の息子が通っていた保育園の先生方(保育士)は、無給で子供達に笑顔で接し毎日働いていた。だから、ある日突然、保育園が無くなったことでみんな悲しんだんだ。先生達が辞めていく…という兆候があれば、保護者も馬鹿ではないから、直前に前月の保育料を振り込んだりはしない!要するに現場の先生方はみんな、精一杯の笑顔で子供達、保護者に接していたのだ。自分達が受けている待遇を隠しながら…。

私が知る限りその先生方は、店舗が近隣の保育事業者にスムーズに引き継げるよう、うまくコミュニケーションを取り、子供達がストレスを感じないよう誠意を持って対応されていた。保育園がつぶれたその日から1ヶ月後までは…。

またあの日の朝を思い出す。突然の出来事で泣き崩れ、涙する先生達とうちの息子。幸いにも市の計らいで店舗継続が決まったその夜、私は会社帰りにその足で保育園に向かい、先生方に「みなさんも本当によかったですね、また来週からよろしくお願いします」と挨拶を交わした。その時そこにいた先生方はまだ泣いていた。その時は嬉し涙だと思っていたのだが…。

後日分かったこと。エムケイグループの社員であった先生方は、店舗の営業を後継の事業者に引き継いだ後、一斉に退職された。そこで働くという選択肢もあったはずだ。その潔さに比べたら目の前に座っているH社長はなんだ?いい加減にしろよ…。

会社を経営する者、事業者は決して嘘をついてはならない。誠意を持って何事にも対応しなければ成らない、と強く思った瞬間だった。私も会社を経営する身として、肝に銘じたい。

その後、H社長への債権者説明会が行われる、とのことだったので即座に退席した。わずか30分間の出来事。次回11月にも2回目の債権者説明会はあるようだが、私は参加しない。参加する意味がないから…。

私ができることは、この問題を事実としてとらえ、警鐘を鳴らし、同じような事が起こらないよう生きていく。できることはただそれだけ。