Real Blog

レジェンド鈴木が日々感じたことを哲学するブログ。書評、エッセイ、ポエムも書いてます。

牙を抜かれたライオン

 昨日、子供達と一緒に動物園に行きました。園の人気モノ、ライオンショーを見ていました。そこで、係の方がナレーションしながら生肉のえさをあげるシーンをじっと見ていました。なになに、良く聴いてみると…。


「ライオンはネコ課の動物ですが、一つ変わった習性があります。それは、群れをなして生活することです。雌ライオンは狩りをして、雄や子供達に運んできます。雄の仕事はライオンの群れを守ることです。」


ん?群れを守ること?だれから、襲われるんじゃい?
ナレーションは続きます。


「ライオンの敵は、餌を狙ってくるハイエナです。そして、群れをなさない孤立した雄ライオン、これが天敵です。」


ん?同じライオンかいな…。で?


「そう、この群れをなさない孤立した雄ライオンは、群れを支配しているライオンに戦いを挑んできます。この戦いに負けると、その主の座を奪い取られてしまうのです。」


な、なんやて!?なんて熾烈な世界でしょう。百獣の王と言われながら、ライオンの敵はライオン。しかも、群れを奪い取られるということは、家族まで失うということ。だからライオンはまた、孤立して群れを奪おうとする、だから強いのか…。


しかし、檻の中にいる雄ライオンは、雌に餌を捕らせてあくびをしながら寝そべっていました。ただの獰猛なネコです。「そんなことでいいのか!オイ!!」って言いたくなりましたが、仕方ありません。だって、そこには群れを襲ってくる、孤立したライオンは居ないんですからね。見ていてそんな雄ライオンがちょっとかわいそうになりました。本能だからじっと敵を待っているしかないんでしょうね。


皆さんの周りにも居ませんか?目的を失い、牙を抜かれた雄ライオンが…。

リアルアイディ